【中学社会】中学生が知っておきたい日本国憲法に関することをまとめています。中学社会の高校入試では、日本国憲法に関する問題が毎年のように出題されます。特に、日本国憲法の基本原則や重要な条文は、試験の頻出テーマです。例えば、「基本的人権」「平和主義」「三権分立」など、教科書で学んだ内容を具体的に問われるケースが多く見られます。
この記事では、高校入試対策として知っておきたい日本国憲法の基本知識と、よく出る憲法の条文を一覧にまとめて紹介します。覚えておくべきキーワードや出題パターンもあわせて解説しているので、ぜひ最後まで読んで効率よく得点アップを目指してください!
日本国憲法について
第二次世界大戦後に制定される。日本がポツダム宣言を受け入れて降伏し、GHQ(連合国最高司令官総司令部)の原案のもとに憲法改正草案を作成。帝国議会で審議可決された。成立は、1946年11月3日に公布。1947年5月3日に施行。基本的原理は、国民主権・平和主義・基本的人権の尊重。
- 公布…1946年11月3日
- 施行…1947年5月3日
- 3つの基本原理…国民主権、平和主義、基本的人権の尊重
大日本国憲法との違い
次に、それまでの大日本国憲法との違いについてみていきましょう。
比較 | 大日本帝国憲法 | 日本国憲法 |
---|---|---|
主権 | 天皇主権 | 国民主権 |
天皇 | 神聖不可侵で統治権を持つ元首 | 日本国、日本国民統合の象徴 |
人権 | 臣民の権利(※) | 基本的人権の尊重 |
軍隊 | 国民に兵役の義務 | 平和主義(戦争放棄) |
臣民とは、天皇に従う者という意味。臣民の権利は、法律の範囲内という制限がありました。
よく出る日本国憲法の条文一覧
高校入試の社会でよく出題される日本国憲法の条文は、特に基本的人権や統治機構に関するものです。以下によく出る条文を挙げます。
■基本的人権に関する条文
条文 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
第9条 | 戦争放棄 | 戦争をしないこと、戦力を持たないことを規定。 |
第11条 | 基本的人権の尊重 | 基本的人権が侵すことのできない永久の権利であること。 |
第13条 | 個人の尊重と公共の福祉 | 「幸福追求権」と「公共の福祉」が試験で頻出。 |
第14条 | 法の下の平等 | 差別の禁止(性別・人種・身分などによる差別を排除)。 |
第19条 | 思想・良心の自由 | 自分の考えを持つ自由を保障。 |
第21条 | 集会・結社・表現の自由 | 言論の自由の大切さを問う問題で頻出。 |
第25条 | 生存権(健康で文化的な最低限度の生活) | 社会権の中心的な条文で、福祉に関する出題が多い。 |
第26条 | 教育を受ける権利と義務 | 義務教育の無償や教育の重要性について問われる。 |
第27条 | 勤労の権利と義務 | 労働に関する権利と労働基準法などの関連で出題。 |
第28条 | 労働者の団結権(労働基本権) | 労働組合の設立や交渉の権利を保障。 |
■政治に関する条文
条文 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
第41条 | 国会は国権の最高機関で立法機関である | 国会の役割を問う問題で基本となる条文。 |
第51条 | 国会議員の免責特権 | 国会での発言が責任を問われないことを規定。 |
第59条 | 法律案の成立 | 衆議院の優越について問う際に出題されやすい。 |
第65条 | 行政権は内閣に属する | 三権分立に関する基本知識として出題されることが多い。 |
第67条 | 内閣総理大臣の指名 | 国会での指名手続きや議院内閣制の理解が必要。 |
第76条 | 司法権は裁判所に属する | 三権分立における裁判所の役割を問う問題で重要。 |
日本の平和主義(第9条について)
<第1項>
日本国民は、正義と序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
<第2項>
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
- 国権…国家の権力。
- 威嚇…威力で相手をおどすこと。
憲法第9条
- 戦争放棄…外国との間に争いがおこっても、具力で解決しない。
- 戦力の不保持…陸海空軍とその他の戦力を持たない。
- 交戦権の否認…他国と戦いを交える権利を認めない。
平和主義のポイント
- 日本国憲法の平和主義は、他の国々に大きな損害を与え、また日本も大きな被害を受けた 第二次世界大戦への強い反省の気持ちが込められている。
- 日本国憲法で日本国民は、国際平和を望み、戦争をしないと定めている。平和主義は日本国憲法の三大原則の1つ。憲法前文にも書かれている。
- 日本国憲法は、武力によって他国をおびやかしたり、または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久に放棄すると定めている。
- 日本国憲法では、国際平和を達成するためには、陸海空軍とその他の戦力を保持せず、国の交戦権を認めないとしている。
日本国憲法に関する確認問題
【問1】次の問いに答えなさい。
- 天皇地位は、大日本帝国憲法と日本国憲法とを比べどのように変わったか。
- 大日本帝国憲法にはあって、日本国憲法にない義務は何か。
- 日本国憲法の3つの基本原理をすべて書け。
- 日本国憲法が公布された、生年月日を書け。
- 日本国憲法が施行された、生年月日を書け。
【問2】次の問いに答えなさい。
(1) 「法の精神」で三権分立(権力分立)を唱えたフランスの思想家はだれか。
(2) 1919年に,世界で初めて社会権を規定した憲法を何というか。
(3) 憲法のように、一国の法の中で頂点に位置する法を何というか。
(4) 憲法によって国家権力を制限し、人権を守るという考えを何というか。
(5) 権力者が思いのままに政治権力をふるう人の支配に対し、権力者も、国民の代表からなる議会が定めた法に従わなければならないという考えを何というか。
(6) 1889年に発布された日本で最初の近代的な憲法を何というか。
(7) 国の政治の最終決定権は国民にあるということを何というか。
(8) 国会が、国民に憲法改正の発議を行うためには、衆議院と参議院のそれぞれ 、総議員のいくつ以上の賛成が必要か。
(9) 日本国憲法では、天皇は「日本国の( )であり日本国民統合の( )であると定められている。( )に共通してあてはまる語句を答えなさい。
(10) 天皇が内閣の助言と承認により行う形式的・儀礼的な行為を何というか。
(11) 自国と密接な関係にある他国が攻撃を受けた場合,自国が攻撃を受けたとみなして、攻撃を受けた国とともに反撃を行う権利を何というか。 (12) アメリカ軍の日本駐留を認めた、日本とアメリカの間の条約を何というか。
(13) 核兵器を「持たず、つくらず、持ちこませず」という原則を何というか。
【問3】日本国憲法は平和主義を原則の一つとしています。その第9条では「○○の行使」を禁じていますが、この○○に当てはまる憲法上の言葉を漢字で答えなさい。
日本国憲法に関する確認問題の回答
【問1】
- 主権者から象徴へと変わった
- 兵役
- 国民主権、平和主義、基本的人権の尊重
- 1946年11月3日
- 1947年5月3日
【問2】
(1) モンテスキュー
(2) ワイマール憲法
(3) 最高法規
(4) 立憲主義
(5) 法の支配
(6) 大日本帝国憲法(明治憲法)
(7) 国民主権国
(8) 3分の2
(9) 象徴
(10) 国事行為
(11) 集団的自衛権
(12) 日米安全保障条約
(13) 非核三原則
【問3】武力
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