今回は、数ある年号のうち、覚えておきたい年号に加え、時代区分をまとめています。出来事の年号を聞かれる問題は少ないものの、出来事の年号の並び替えや同じ時代区分の出来事を選ぶなどそういう問題を解く際には、歴史の流れを知っておく必要があります。時代区分としては、大きな分け方として、古代・中世・近世・近代・現代となります。次のような区分にわけて、覚えておきたい年号をまとめていきます。
古代の年号
まずは、古墳時代~平安時代院政期までです。
年号 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
538年 | 仏教、日本に伝わる | 百済(朝鮮半島の国)から仏教が伝えられる。 |
593年 | 聖徳太子が摂政になる | 推古天皇を助け、政治を行う。 |
604年 | 十七条の憲法を制定 | 役人の心構えを示した法令。「和をもって貴しとなす」で有名。 |
607年 | 遣隋使を派遣 | 小野妹子を隋(中国)に送り、先進文化を学ぶ。 |
645年 | 大化の改新 | 中大兄皇子・中臣鎌足らが蘇我氏を倒し、天皇中心の政治を目指す。 |
701年 | 大宝律令の制定 | 日本初の本格的な法律。国の仕組みを整える。 |
743年 | 墾田永年私財法 | 開墾した土地を永久に自分のものにできる法律。貴族の土地支配が進む。 |
794年 | 平安京に遷都 | 桓武天皇が都を奈良から京都に移す。平安時代の始まり。 |
894年 | 遣唐使の廃止 | 菅原道真の進言により、中国(唐)との交流をやめる。 |
飛鳥時代
- 538 仏教日本に伝わる。
- 593 聖徳太子が摂政になる。
- 604 十七条憲法を制定。
- 607 小野妹子ら遣隋使派遣。
- 645 大化の改新。
奈良時代
- 701 大宝律令の制定
- 743 墾田永年私財法。開墾した(自分で耕した)土地であれば、永遠に自分ものにできる法律。
平安時代
- 794 桓武天皇が平安京に遷都
- 894 遣唐使を廃止する。
中世の年号
次に、平安時代院政期~戦国時代です。
年号 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
1086年 | 白河上皇の院政開始 | 天皇を退いた上皇が実権を握る政治を始める。 |
1185年 | 壇ノ浦の戦い・守護地頭の設置 | 源氏が平氏を滅ぼし、鎌倉幕府が全国に守護・地頭を置く。 |
1221年 | 承久の乱・六波羅探題の設置 | 後鳥羽上皇が幕府に反乱→敗北し、朝廷を監視する六波羅探題が置かれる。 |
1232年 | 御成敗式目 | 北条泰時が武士のための法律を作る。 |
1274年 | 文永の役 | 元(フビライ・ハン)が日本に攻めてくるが、暴風雨で退却。 |
1281年 | 弘安の役 | 元が再び攻めるが、またも暴風雨(神風)で敗れる。 |
1297年 | 永仁の徳政令 | 借金に苦しむ御家人を救うため、借金帳消しの命令を出す。 |
1333年 | 鎌倉幕府滅亡 | 足利尊氏・新田義貞が鎌倉幕府を倒す。 |
1392年 | 南北朝統一 | 足利義満が南朝・北朝を統一し、戦乱を終わらせる。 |
1404年 | 勘合貿易開始 | 明(中国)と正式な貿易を始め、勘合(証明書)を使って日本の船を識別。 |
1428年 | 正長の土一揆 | 借金に苦しむ農民が高利貸しを襲い、借金帳消しを求める。 |
1467年 | 応仁の乱 | 足利将軍家の後継ぎ争いが全国の戦乱へと広がる。 |
1485年 | 山城の国一揆 | 京都の山城で農民たちが守護を追い出し、自分たちで政治を行う。 |
1488年 | 加賀の一向一揆 | 浄土真宗の信者が守護を追い出し、約100年間自治を行う。 |
1543年 | 鉄砲伝来 | ポルトガル人が種子島に鉄砲を伝える。 |
1549年 | キリスト教伝来 | フランシスコ・ザビエルが日本にキリスト教を広める。 |
平安時代
- 1086 白河上皇の院政始まる
- 1185 壇ノ浦の戦いで平家滅亡⇒守護・地頭の設置
鎌倉時代
- 1221 承久の乱、六波羅探題(後鳥羽上皇)
- 1232 御成敗式目(北条泰時
- 1274 文永の役(フビライハンVS北条時宗)
- 1281 弘安の役(フビライハンVS北条時宗)
- 1297 永仁の徳政令
- 1333 鎌倉幕府の滅亡(足利尊氏・新田義貞)
室町時代
- 1392 南北朝統一
- 1404 勘合貿易はじまる
- 1428 正長の土一揆…高利貸しを農民たちがおそいました。
- 1485 山城の国一揆
- 1488 加賀の一向一揆…浄土真宗の信者が守護を追い出して約100年の自治を行いました。
戦国時代
- 1467 応仁の乱
- 1543 鉄砲伝わる
- 1549 キリスト教伝わる
近世の年号
次は安土桃山時代~ペリー来航までです。
年号 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
1575年 | 長篠の戦い | 織田信長・徳川家康連合軍が武田勝頼を鉄砲隊で破る。 |
1582年 | 本能寺の変 | 家臣の明智光秀が織田信長を討つ。 |
1588年 | 刀狩令 | 豊臣秀吉が農民から武器を取り上げ、一揆を防ぐ。 |
1590年 | 小田原征伐 | 豊臣秀吉が北条氏を倒し、日本を統一する。 |
1592年 | 文禄の役 | 豊臣秀吉が朝鮮に出兵する(失敗)。 |
1597年 | 慶長の役 | 再び朝鮮出兵するが、秀吉の死により撤退。 |
1600年 | 関ヶ原の戦い | 徳川家康が石田三成を破り、全国支配を固める。 |
1603年 | 江戸幕府成立 | 徳川家康が征夷大将軍となり、江戸幕府を開く。 |
1615年 | 武家諸法度 | 大名を統制するための法律が定められる。 |
1637年 | 島原の乱 | キリシタン農民が幕府に反乱を起こすが鎮圧される。 |
1649年 | 慶安の御触書 | 農民の生活を厳しく制限するための法令。 |
1709年 | 新井白石の政治 | 江戸幕府の財政再建と学問奨励を行う。 |
1716年 | 享保の改革 | 徳川吉宗が倹約・新田開発・目安箱の設置などを行う。 |
1772年 | 田沼意次の政治 | 商業を重視した政策を進めるが、賄賂政治と批判される。 |
1787年 | 寛政の改革 | 松平定信が質素倹約・学問奨励などを行う。 |
1825年 | 外国船打払令 | 日本に近づく外国船を追い払う命令が出される。 |
1837年 | 大塩平八郎の乱 | 元役人の大塩平八郎が飢饉に苦しむ庶民のために反乱を起こす。 |
1841年 | 天保の改革 | 水野忠邦が倹約・物価抑制・江戸改革を行うが失敗。 |
1853年 | ペリー来航 | アメリカのペリーが黒船で浦賀に来て開国を要求。 |
江戸時代(前半)
- 1615 武家諸法度ができる
- 1637 島原の乱
- 1649 慶安の御触書
- 1709 新井白石の政治
- 1716 享保の改革。(徳川吉宗)
- 1772 田沼意次の政治
- 1787 寛政の改革(松平定信)
- 1825 外国船打払令
- 1837 大塩平八郎の乱
- 1841 天保の改革(水野忠邦)
近代以降から現代の年号
最後にペリー来航~第2次世界大戦敗戦、それから現代までです。
年号 | 出来事 | 内容 |
---|---|---|
1858年 | 日米修好通商条約 | 日本がアメリカと不平等条約を結ぶ。 |
1860年 | 桜田門外の変 | 井伊直弼が暗殺される(尊王攘夷派の反発)。 |
1862年 | 坂下門外の変 | 老中・安藤信正が負傷する事件。 |
1863年 | 薩英戦争 | 薩摩藩とイギリスが戦うが、薩摩が敗れる。 |
1866年 | 薩長同盟 | 坂本龍馬の仲介で薩摩藩と長州藩が同盟を結ぶ。 |
1867年 | 大政奉還 | 徳川慶喜が政権を朝廷に返す。 |
1868年 | 五箇条の御誓文 | 新政府の基本方針が発表される。 |
1869年 | 版籍奉還 | 大名が土地と人民を天皇に返上。 |
1871年 | 廃藩置県 | 藩を廃止し、県を設置。中央集権が進む。 |
1872年 | 学制公布 | 近代的な学校制度が始まる(義務教育の開始)。 |
1873年 | 地租改正・徴兵令 | 土地の税制改革と国民皆兵制度が導入。 |
1874年 | 民選議院設立建白書 | 板垣退助が国会開設を求める。 |
1877年 | 西南戦争 | 西郷隆盛が政府に反乱を起こすが敗北。 |
1881年 | 国会開設の勅諭 | 10年後に国会を開くことが決定。 |
1882年 | 立憲改進党結成 | 大隈重信が自由民権運動を進める。 |
1884年 | 秩父事件 | 自由民権運動の農民暴動。 |
1885年 | 内閣制度 | 伊藤博文が初代総理大臣となる。 |
1886年 | ノルマントン号事件 | イギリス船が日本人を見殺しにし、不平等条約改正のきっかけとなる。 |
1889年 | 大日本帝国憲法 | 天皇が国を統治する立憲君主制が始まる。 |
1890年 | 第1回帝国議会 | 日本初の国会が開かれる。 |
1894年 | 日清戦争 | 日本が清と戦い勝利、朝鮮の支配権を確立。 |
1895年 | 下関条約 | 日本が台湾を獲得するが、三国干渉を受ける。 |
1899年 | 義和団事件 | 中国で外国人排斥運動が起こる。 |
1901年 | 八幡製鉄所操業開始 | 日本の近代工業化が進む。 |
1902年 | 日英同盟 | 日本とイギリスが同盟を結ぶ。 |
1904年 | 日露戦争 | 日本がロシアと戦い勝利。 |
1905年 | ポーツマス条約 | 小村寿太郎がアメリカで講和条約を結ぶ。 |
1910年 | 韓国併合 | 日本が韓国を植民地にする。 |
1911年 | 関税自主権回復 | 日本が不平等条約を改正する。 |
1914年 | 第一次世界大戦 | 日本がドイツに宣戦布告し、戦勝国となる。 |
1915年 | 二十一か条の要求 | 日本が中国に領土などを要求。 |
1918年 | シベリア出兵・米騒動 | 米価の高騰で暴動が発生。 |
1923年 | 関東大震災 | 東京・横浜が大被害を受ける。 |
1925年 | 普通選挙法 | 25歳以上の男子に選挙権が与えられる。 |
1929年 | 世界恐慌 | アメリカ発の不景気が世界に広がる。 |
1931年 | 満州事変 | 日本が満州を占領。 |
1933年 | 国際連盟脱退 | 日本が国際社会から孤立する。 |
1937年 | 日中戦争 | 日本と中国が本格的に戦争を始める。 |
1939年 | 第二次世界大戦 | ドイツのポーランド侵攻で戦争が始まる。 |
1941年 | 太平洋戦争 | 日本が真珠湾を攻撃し、アメリカと戦争開始。 |
1945年 | ポツダム宣言受諾 | 日本が降伏し、戦争が終わる。 |
1950年 | 朝鮮戦争 | 朝鮮半島で戦争が勃発し、日本経済が回復。 |
1951年 | サンフランシスコ平和条約 | 日本が独立を回復。 |
1956年 | 国連加盟 | 日本が国際社会に復帰。 |
1972年 | 沖縄の復帰 | 沖縄が日本に返還される。 |
1973年 | 石油危機 | 中東の戦争で石油価格が急騰。 |
1978年 | 日中平和友好条約 | 日本と中国が国交を強化。 |
1990年 | 東西ドイツ統一 | 冷戦が終わり、ドイツが統一。 |
1991年 | 湾岸戦争・ソ連解体 | イラク戦争とソ連の崩壊。 |
江戸時代(後半)
- 1858 日米修好通商条約締結
- 1860 桜田門外の変⇒井伊直弼暗殺
- 1862 坂下門外の変⇒安藤信生負傷
- 1863 薩英戦争(鹿児島vsイギリス)
- 1866 薩長同盟成立⇒坂本竜馬が仲介を行う
- 1867 江戸幕府(徳川幕府)、大政奉還へ
明治時代
- 1868 五か条の御誓文、鳥羽・伏見の戦い
- 1869 版籍奉還
- 1871 廃藩置県・岩倉具視の欧米使節団
- 1872 学制(義務教育の開始)・鉄道
- 1873 地租改正・徴兵令・太陽暦
- 1874 民選議院設立建白書(板垣退助)
- 1877 西南戦争・地租が2.5%に
- 1881 国会開設の勅諭、自由党(板垣退助)
- 1882 立憲改進党ができる(大隈重信)
- 1884 秩父事件(埼玉県、自由民権運動の暴発〉
- 1885 内閣制度(伊藤博文)
- 1886 ノルマントン号事件
- 1889 大日本帝国憲法(伊藤博文)
- 1890 第1回帝国議会、教育勅語
- 1894 治外法権の廃止(陸奥宗光)・日清戦争
- 1895 下関条約(伊藤博文・陸奥宗光)三国干渉
- 1899 義和団事件
- 1901 八幡製鉄所の操業開始
- 1902 日英同盟
- 1904 日露戦争
- 1905 ポーツマス条約(小村寿太郎)
- 1910 韓国併合、大逆事件(幸徳秋水処刑)
- 1911 関税自主権回復(小村寿太郎)、辛亥革命
大正時代
- 1914 第一次世界大戦
- 1915 二十一ヶ条の要求
- 1918 シベリア出兵・米騒動
- 1923 関東大震災
- 1925 普通選挙法・治安維持法
昭和時代
- 1929 世界恐慌
- 1931 満州事変
- 1933 国際連盟脱退
- 1937 日中戦争
- 1939 第二次世界大戦
- 1941 太平洋戦争
- 1945 ポツダム宣言受諾
現代(戦後~)
- 1950 朝鮮戦争
- 1951 サンフランシスコ平和条約・日米安全保障条約
- 1956 日ソ共同宣言・国連加盟
- 1972 沖縄の復帰
- 1973 石油危機(オイルショック)
- 1978 日中平和友好条約
- 1990 東西ドイツ統一
- 1991 湾岸戦争・ソ連解体
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