古文を読んでいて、「あれ?主語や動詞が書かれていない…」と感じたことはありませんか? それは古文特有の“省略”によるものです。古文では、文の中の言葉がよく省略されるため、文脈から内容を正しく読み取る力が大切です。この記事では、古文でよく省略される言葉の種類や、登場人物の動きや会話の流れから内容を補うコツを、例文つきでわかりやすく解説します。
古文の省略
古文の省略とは?
古文では、現代語と異なり主語・目的語・助詞などが省略されることが非常に多いです。文脈から省略された言葉を補うことで、文章全体の意味を正確に理解することができます。
古文を読むときに、よく省略されるものとして、以下のようなものがあります。
- 主語の省略
- 助詞の省略(中でも、主語を示す助詞「が」「は」)
- 述語の省略
- 連用修飾語を示す助詞の省略
※連用修飾語とは、用言(動詞、形容詞、形容動詞)を修飾する
主語の省略

古文で最も頻繁に省略されるのが主語です。既に話に登場している人物や、文脈から明らかな場合に省略されます。
例文
「かぐや姫、『なんでふ心地悪きぞ。』と言ふ。」
→ 「かぐや姫が」という主語が明確
前の文に登場した人物を思い出す
敬語表現から身分の高い人を推測する
接続助詞「て」で主語が継続することが多い
一度登場し、記述した人は、次から省略されることがほとんどだということがポイント!また、敬語が使われているかも判断基準になります。さらに、「を・に・ば・ど・ども・が」という接続助詞と言いますが、これらがあると、主語が変わっている目安にもなります。逆に、主語が変わらないのは、「て・で」です。
- (原文)男あまたゐる。たいそうののしりあう。
- (補った文)男があまたゐる。男はたいそうののしりあう。
- (現代語訳)男がたくさんいる。男(たち)は、大騒ぎしている。
目的語の省略

「〜を」にあたる目的語も頻繁に省略されます。動作の対象となるものが文脈から分かる場合に省略されます。
例文
「〜思ふ」「〜見る」「〜言ふ」
→ 「何を」思うのか、「何を」見るのかが省略されている
補い方:前後の文脈から、動作の対象となるものを推測して補います。
助詞の省略

格助詞(が・の・を・に・へ など)が省略されることもあります。特に主格の「が」「の」がよく省略されます。
例文
「竹取翁(が)見つけたり」
→ 主格の助詞「が」が省略
古文では「が」と「の」はほとんどの場合で置き換えが可能です。
主語を示す助詞「が」「は」が多いです。
- (原文)男あまたゐる
- (補った文)男があまたゐる
- (現代語訳)男がたくさんいる
会話文の省略パターン

古文では会話に「 」がついていないため、会話部分の見分けが重要です。
理解を深めるコツ
- 登場人物を整理する…文章の最初で登場人物をメモし、誰が何をしているかを常に意識しながら読む
- 敬語に注目する…尊敬語・謙譲語から誰が誰に対して行っている動作かを判断する
- 接続表現を意識する…「て」「ば」「ども」などの接続助詞で主語の継続や変化を把握する
- 文脈を大切にする…前後の文章から省略された内容を推測し、全体の流れを理解する
コメント